NEW STANDARDなもの選び Vol.2

NEW STANDARDなもの選び

アマンオンラインにて週一回更新されるエディター坪田あさみさんのもの選びの視点。今回はコーディネートの最後の「仕上げ」としてではなく、
「始まり」として考えるバッグについて。シーズン中の着こなしを決定づけるバッグとは?



vol.02
「バッグから広がるワードローブの方向性」

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タッセルがついたレザーストラップは長さが調整できる。カーキ色のニットカーディガンとの配色が美しい。

バッグがなければ着こなし全体がぼやけて今ひとつ決まらない、というのは女性にはよくあることだけれど、私は”A VACATION(ア ヴァケーション)”のバッグと出会ってより強くそのことを思うようになった。

 ”A VACATION”のバッグは単体でもちろん美しいのだが、むしろ服に合わせてこそその実力が際立つ気がする。使うほどに使い勝手のよさを再認識できるのも特徴。そんなバッグは世の中に実はそれほど多くない。

服との合わせやすさでは、色の絶妙さによるところが大きい。”A VACATION”を代表するアイコンバッグは、ジャカードなどのインテリアファブリックをメイン素材に使用することで、軽さと丈夫さ、他にない洗練された個性を発揮しているが、シーズンごとに登場するこのファブリックの色柄のチョイスが、これからの季節に向けて着たいと思う服とすこぶる相性がよいのだ。ただよいというだけでない。服を高見えさせ奥行きまで出してくれる、またすでに見慣れた服も今っぽく見違えさせてくれる。他のものでは物足りなくなってしまうのも無理はない。

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例えばこのブラウンペイズリーの“ROCK”という名のトートを手にした時、今シーズンの着こなしの妄想が一気に広がった。 まずリネンのドライな質感の服と合わせたい。サファリテイストなものにもいい。ざっくりとしたニットや透け感のあるシアーな羽織りものにも、カフタンのようなリゾート感のあるワンピースにも合わせたい。また'70年代テイストなフレアシルエットのダメージデニムでガラリと印象を変えて楽しむのもいい。そんな妄想がバッグを起点に次々と浮かぶ。そしてそれらの素材の組み合わせや色の重なりを思うとワクワクしてくる。
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今季の新作ファブリックによるコレクション。一番大きい定番の”TANK”からミニサイズの”BOX”、アクセサリー感覚で使えるサコッシュ風の”POCKET”とバリエーション豊富にラインナップ。



色やデザインだけでなく機能面も毎シーズン買ってしまう”A VACATION”の魅力のひとつだ。私は職業柄荷物が多く、バッグが重いのはデフォルトなのだが、このバッグはレザーを部分的に使いその他をファブリックにすることで、バッグの風体をとても軽く丈夫なものにしている。パソコンなど重い荷物でも型崩れせず美しい状態をキープできる。レザーの持ち手を分割することで重さを分散させると同時に、手が華奢な女性にも持ちやすいという工夫もある。

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ICカードやケータイなどを入れておけば両手が空いてストレスフリー。今季付けたいシルバーネックレスとも好相性。

今季はさらにうれしいことに”POCKET”という新作も登場した。仕事柄メインバッグの荷物とは別に、ケータイとミニ財布をポケットに入れて持ち歩くことが多いのだが、まさにその通りのネーミング。これまでそうしたケース類はファッションとは別次元のデザインが多かったが、これならコーディネートを崩すことなくスマートに持ち歩くことができる。肩がけしても首から下げてもいい。またメインバッグにチャームのように取り付けても可愛い。

バッグが与えてくれる着こなしのインスピレーションや使い勝手のよい機能性を思うと、私の”A VACATION”コレクションはまだまだ増え続けていくに違いない。この夏もこのバッグを起点にワードローブを揃えることになりそうだ。



着用アイテム


    PROFILE
    坪田 あさみ(Asami Tsubota)

    出版社勤務を経てフリーのエディター・ライターとして独立。『Marisol』『éclat』(共に集英社)などの女性ファッション誌をはじめ、書籍、カタログ、webコンテンツなどの編集・ライティングに広く携わる。他にコラム執筆、トークショー登壇など活躍の幅を広げる。 Instgram@asamit1201

TEXT・STYLING・MODEL/ASAMI TSUBOTA
PHOTO/MAKIKO OBUCHI
HAIR&MAKE-UP/MAMI NUMATA(ilumini)