Designers File #01 08sircus
【前編】

-Kiminori Morishita-

注目のデザイナーをフィーチャーしてお届けする連載企画。初回は、08sircusの森下公則さんをお迎え。 2021年春夏コレクションから、クリエイションの背景を紐解く。


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Q.まず、「08sircus」はどんな思いから誕生したブランドですか?

2010年春夏にデビューしたのですが、それまでのメンズの経験で培ってきたパターンやカッティングをいかに女性服に落とし込めるか。
そして、要素を必要最低限まで省くことで新たな何かができないかを考えてブランドをスタートさせました。ミニマルなデザインの中にも、メンズデザイナーならではのこだわりがあるのは独自のポイントだと思うので、そこをお客様には楽しんでいただけたらと思っています。

Q.2021年春夏コレクションについて教えてください。

今回はコロナ禍ということもあり、世の中的も自分の立場的にもシビアな状況の中で、1年後の将来に向けてクリエイションをしなければなりませんでした。結局アイデアの源泉は自分の中にあるので、今起きている出来事に向き合いどう感じているか、自分の内側に問いかけるしかないんですね。
そうなったときに、ノスタルジックなイメージが自分の中でしっくりきて。ヨーロッパのヴィンテージに着想をおいて、デザインを展開しようと考えました。

Q.今季のデザインポイントは?

これまではウィメンズの服でもメンズライクなものが多かったのですが、今回はヨーロッパの古き良き時代の女性を彷彿とさせるような、ウエストマークだったり、ギャザーをたっぷり使ったり、女性らしいフォルムのパフスリーブだったりと、曲線を意識したデザインに仕上げています。モノトーンやアースカラーが多いのは、ヴィンテージのイメージもありますが、やはりデザインしていた当時の自分の内面が映し出されているのだと思います。

Q.今回のコレクションを象徴するアイテムは?

先ほどの話からすれば、ウエストにタブをつけたノーカラーのワンピースですね。ウエストやスリーブにギャザーを寄せたデザインは中世まではいかないけれど、昔のヨーロッパで女性が部屋で着ていたようなドレスから着想を得ています。当時は綿や麻で作っていたんですけれども、それをあえて濡れたようなツヤ感を生む加工を生地表面に施すことで、全く違う見え感をする都会的な雰囲気に仕上げています。

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Q.バイヤーさんから人気だったアイテムは?

色は何種類かあるのですが、黄色の裾にスリットが入ったイージーパンツは定番で人気のあるデザイン。毎シーズン素材とシルエットをアップデートしているのですが、今回は光沢とシャリ感のある表情が特徴的で、脚にまとわりつかず、夏に快適なドライタッチの素材にしています。シルエットはジョッパーズっぽいタイトフィットな形なんですけれども、太からず細からずで、日常履きしたときにすごく使いやすいシルエットです。

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【2021 SPRING SUMMER COLLECTION】

ヨーロッパの古き良き時代のヴィンテージに着想を得た、今季の08sircusのコレクション。
クラシカなギャザーや空気をはらむフォルム、抽象的にアレンジされた柄など、懐かしさの中にも、華やかさと安らぎが巧みに交差する絶妙なバランスを生み出している。

後編は4月2日(金)に公開。どうぞ、お楽しみに。



    PROFILE
    森下 公則(Kiminori Morishita)

    アパレルメーカーにてチーフデザイナーとして数々のブランドを手掛け、2002年より社内ブランドとして「kiminori morishita」をスタート。パリでショーや展示会を行い、インターナショナルに活躍するデザイナーとして注目を集める。2009年に同社を退職後、新ブランド「08sircus」を立ち上げ、2010年春夏にファーストコレクションを発表。ハイセンスなデザインとクオリティーの高さに定評がある。 Instgram@08sircus



PHOTO/TATSUYA YAMANAKA
TEXT/AYAKO TAKAHASHI